【前編】ESGの専門家になるための「素質」とは?|ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社 | グリーンジョブのエコリク

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2026.1.14

インタビュー

【前編】ESGの専門家になるための「素質」とは?|ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社

ソコテック・サーティフィケーション・ジャパンは、フランス発の第三者認証・アドバイザリー機関として、企業のサステナビリティ経営を根幹から支えています。
GHG排出量の検証やISO認証、最新の人的資本開示アドバイザリーまで、その事業領域は多岐にわたります。しかし、急速に拡大するESG市場では、プロフェッショナル人材の不足が深刻です。

今回はソコテックの執行役員である倉内様に、未経験者をプロに育てるために同社が最も重視する「素質」と、その背景にある採用哲学、そして成長を加速させる教育システムについて伺いました。

(インタビュアー:弊社マッチングディレクター 高木 広陽

ソコテックが未経験者に求める「芯」とキャリアパス

I. 市場のひずみと「素質重視」の採用戦略

まずは御社のサービスの概要と求める人材について、簡単にご説明いただけますか。

私たちが提供するのは、ESG(環境社会ガバナンス)をテーマとした企業の戦略アドバイザリー、および情報の監査サービスです。監査においては、正確な数値や情報を導き出すことはもちろん、不正確なものに対して適切に指摘を行う、極めて重要な職務を担っています。

ご存知のようにこのESG分野は最近になってニーズが急にエクスパンド(拡大)した、プロフェッショナルがほとんどいない分野です。極めて専門性の高い分野であるにもかかわらず、ESGが投資の判断の主流として急遽組み込まれました。この急激なニーズの拡大に伴い、人材が世の中に不足しているという課題認識は、政府および業界団体全体で共有されています。

結果として、各社はヘッドハンティングを積極的に行っており、経験者は取り合いなんですね。弊社も人脈を使って集めてきましたが、これ以上、本当に第一線でやれる人を見つけるのは困難です。そういった状況の中で、経験者だけを求めるのは厳しいというのが現実です。

そのため、我々の戦略は素質がある人を見つけ出して、育成していくことにあります。時間を要しますが、結果的にそれが最も近道だと考えます。他社に染まっていない人材に対し、我々が目指すコンセプトを浸透させていく方針です。これは、私たちが提供するサービスの特性上、経験がない分、「人的資質が最も重要な鍵」になるからです。資質がしっかり備わらないと、育てても我々が描く人間にはならないわけです。

経験者だけを取り合っていると、本当にどんどん年収を釣り上げていかなければいけない、というのは私たちも痛感しています。その分、未経験であっても人間的な資質が備わっている方を求められているのですね。

その通りです。我々の仕事はアドバイスをする側なので、多少経験者だからと言っても生半可な知識・経験では通用しません。

ですから、最初から「社会貢献したい」「正しいことを正しくやる」という姿勢、つまり人的資質を見て採用し、教育をしっかりとして知識をつけていく方が、結果的に人材市場の動向に左右されずに優秀な人材を獲得できると考えています。

II. 最も重視する「芯」と「個性」

誠実性などの人的資質に加えて、御社で活躍できる人材に求められる要素はほかにありますか。

そうですね、向上心がある方です。我々が面接で最も大切にしているのは「誠実であること」に加え、「新しいことを学ぶ姿勢があるか」、もしくは「耳の痛いことをしっかりと聞けるか」といった、高い職業意識を持てる資質です。

また、弊社の社員はみんな個性的です。個性がない人は埋もれますし、多分続かないと、はっきり伝えています。なぜなら、監査において、自分の信念のもと、相手が強硬的であろうと穏やかであろうと、物事を同じように伝え、指摘をしなければならないからです。

個性はいろんな個性があっていいんですよ。平均的である必要はありません。ある部分で尖っていたら、それが面白さになり、活躍につながります。例えば、理系大学出身で一見オタク的な方でも、大学時代にラジオのDJをやっていたなど、すごい個性を持っている人がいるわけです。

標準的な面接で高学歴の人を採って競争させるということではなく、「その人がどういう面白みがあるのか」という尺度で判断しています。

実際の面接ではどのように判断されるのですか?

面接の中では、誠実性を確認するための質問をします。例えば、「上司から納期が来ているが、データチェック中に1点だけ怪しいデータがあった。それを突き詰めるには時間がかかり納期に間に合わない場合、あなたはどういう判断をしますか」といった質問です。

そういった局面で、「何を大切にしなければいけないのか」ということがぶれない、芯(軸)を持っている方、それが我々の中で最も優先度が高い資質です。人に流される方というのは、うちの面接ではなかなか引っかからないですね。

その人の軸というか芯がないといけない。そのためにも、拠り所となる個性が重要になるのですね。

ええ。あるいは、ややもすると口下手なんだけど、すごく真面目です、といった方もウェルカムですよね。

面接では、他社さんだったらひょっとしたら弾かれているというような人でも、ちゃんと人を見ています。少々言葉がたどたどしい、不器用さが出てしまって、通常の面接だとなかなかクリアしづらい方であったとしてもです。不器用さというのは、一方でその人の真面目さや誠実性がそこにあると捉えています。

III. 未経験から成功するうえで重要なこと

未経験で入社してから活躍している方には、どのような特徴がありますか?

むしろ違う業界だったとしても、すごく伸びる方が、うちの社員には多いですよね。我々の仕事はアドバイザーとして自分でドキュメンテーションを作り、グローバルな知見を見て学び、プロジェクトマネジメントもしなければならない、マルチな力量が必要になります。

「自ら動いて自ら考えて、そして成果を出す」という、そういったところに身を置いていた方、もしくはそういうモチベーションがある方々を私たちは求めているんです。

異業種の経験しかなかったとしても、そこで自律的に行動してきたかどうか、が重要ですね。
とはいえ、いくら人的資質や向上心が備わってる方でも、専門性を習得するための仕組みがないと活躍するのは難しいのではないでしょうか?

当然ながら知識をしっかりと与えていかなければなりません。面接でもよく「入社までに何を学んでおけばいいでしょうか」と聞かれることがありますが、「入社されてからしっかり教育します」と答えています。

育成はOJTが中心になり、Off-JTを組み込んでいます。特に、教育のプログラムを明確化し、社内のイントラネットで進捗状況を「見える化」するシステムを構築しています。必要な科目が終わっているのか終わっていないのか、しっかりと確認できる体制です。

未経験の方が一人で審査できるようになるにはどれぐらいの期間がかかるのですか。

我々が今目標としているのは、大体7ヶ月から8ヶ月ぐらいです。最初はOJTで先輩と一緒に審査に行きますが、7ヶ月~8ヶ月を目安に1人で審査に行けるというのを一つのタームとして設定しています。特に技術職の場合、教育カリキュラム終了後、監査人候補、監査人、主任監査人というステータスがあり、そのステータスごとに給与が数万単位、百万単位でどんどんついてきます。これが大きなモチベーションになっていますし、客観的なエビデンスに基づいて資格付与に対応しています。

半年強で1人立ちできるような教育のプロセスが整備されているのですね。審査員になってからは、その先どのようなキャリアパスがあるのでしょうか。

技術職で応募される方は、比較的スペシャリスト志向が強い方が多いです。まずは一つの監査サービス(例:森林吸収の審査)で基本を身につけ、その後、農業分野、太陽光、風力、バイオエネルギーなど、様々な方法論の分野を増やしていく形で専門性が増していきます。

また、監査をする中でマネジメント力が光る方については、本人の意向を確認した上で、途中でマネジメント職に抜擢します。「何年経ったから」といった年功序列的な基準は基本的にはありません。資質とやる気がある方に対しては、年齢や性別の差は関係なく、どんどん抜擢します。実際、20代でマネージャーとして活躍し、50代・60代の方を部下に抱えて頑張っている人もいます。

Ⅳ. 未経験者へのメッセージ:熱意と自己分析

応募を考えられている方に向けて仕事の面白みややりがいを教えてください。

未経験だからといって背伸びする必要は全くありません。我々が求めているのは、環境や社会課題の解決に強い関心を持っているような人材です。アドバイザーとして「御社はやるべきなんです、やらなければならないんです」ということをはっきり言う仕事なので、自分自身に「社会課題の解決に向けて自分は貢献したい」という熱がないと、お客さんの心を動かせません。

専門的な知識は後からついてきます。まずは「自分がなぜそこを希望するのか」、「自分の価値観って何なのか」をしっかり見つめてください。自己分析をする際には、金銭的な豊かさや発展的な豊かさではなく、「本質的な豊かさ」をどう求めていくべきか、という自分なりの考えにフォーカスを当ててほしいです。

面接という対話の中で、「ソコテックはこういうことを目指しています。あなたはどんな思いで我々のチームに参画されますか。」という基本的な価値共有ができるかどうかが、すごく重要になります。 私は、社員に呆れられるほどこの仕事が好きなんです。新しいことを学ぶのも大好きですし、止まるところがない。私の熱意は本当に強いものがある。そういう仲間が1人でも増えていくことで、世の中が変わっていくきっかけになるんじゃないかと本気で思っています。

実際に未経験で入社した若手社員2名に聞いてみました

Tさん(20代半ば/女性/24年12月入社)
【前職:物流業界の営業・営業事務】

■ なぜソコテックに入社したのか

ソコテックが国際的であることです。フランスに本社があることも魅力でした。前職や大学時代も海外に関わる活動をしていたので、その経験を活かせる分野を選びました。
直接海外へ行く機会はまだありませんが、海外拠点の方が来日した際に食事を共にすることはありました。また、海外での仕事を希望していることは上層部に伝えており、独り立ちできた来年以降にはチャンスがあるのではないかと期待しています。

■ 入社後1年間の流れ

業界未経験だったので、約7ヶ月から8ヶ月の研修プログラムを経て独り立ちしました。研修では、検証人の補助業務から始まり、現場でインプットしたことをどれだけアウトプットできるかが重要で、非常に濃密な期間でした。独り立ちした今も、日々勉強が続いています。

■ 今後の抱負

先ほども挙げましたが、海外の現地検証に挑戦したいです。また、環境の知識がまだ足りないので、社内セミナーや実務を通じて、幅広い分野の知識を蓄えていきたいです。

■ エコリク会員へひとこと

ソコテックは、若手でも手を挙げれば仕事を任せてもらえる環境です。自分の意見が通りやすく、裁量を持って働きたい方には非常に合う職場だと思います。

Hさん(30代前半/男性/25年4月入社)
【前職:環境教育系の公益財団法人】

■ なぜソコテックに入社したのか

大学時代から前職まで一貫して環境分野に携わってきました。地元である関東に戻りたいという希望があったこと、前職での市民向けアプローチではなく、企業向けのアプローチに挑戦したいと考えていた時に紹介を受けたのがきっかけです。

■ 入社後1年間の流れ

私は入社して約3ヶ月で現場に1人で行くようになりました。大学や前職で培った環境分野での知識が、キャッチアップを助けてくれたのだと思います。

■ 今後の抱負

私は「代えのきかない人材」になりたいです。社内には、全分野を網羅している尊敬する先輩がいるので、その方に肩を並べられるようになりたいと考えています。

■ エコリク会員へひとこと

環境分野は世界のトレンドであり、今後さらにニーズが高まる領域です。自分のやりたいことや夢を叶えられる場所だと思うので、志がある方にぜひ来ていただきたいです。

プロフィール

倉内様

倉内 瑞樹 様(くらうち みずき)

ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社
執行役員

銀行、ISOコンサルタントを経て審査機関でISO 14001や労働安全衛生、リスクマネジメント、J-SOX、ESG情報開示等の知見を深め、GHG検証事業の立ち上げにも携わる。
2018年にソコテックへ参画し現在は執行役員を務める。一社)温室効果ガス審査協会理事。

ソコテック・サーティフィケーション・ジャパン株式会社

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