ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)とは | グリーンジョブのエコリク

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2025.8.28

トピック

ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)とは

2030年までの世界目標である「昆明・モントリオール生物多様性枠組」の達成に向けて「生物多様性国家戦略2023-2030」を策定し、その中で掲げた2030年目標「生物多様性の損失を止め、反転させる」すなわちネイチャーポジティブの実現に向けた5つの基本戦略の1つとして「ネイチャーポジティブ経済の実現」を位置付けています。

環境省が2025年7月31日に公表した「ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)」の内容の深掘りをします。

ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)とは

このロードマップは、「2050年自然共生社会」と「2030年ネイチャーポジティブ経済(NPE)への移行」の実現に向け、「いつまでに、何をすべきか」の全体像を具体化することを目的に策定されました。国が主導しつつ、企業や金融機関を含む様々なステークホルダーに期待されるアクションを整理し、連帯した取り組みを促進することを目指します。

NPE移行に向けた過程

図1 ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)
出所)環境省「ネイチャーポジティブ経済移行戦略ロードマップ(2025-2030年)」(※1

2025年から2030年にかけて、まず大企業や先進的な企業がNP経営への移行を進めます。その後、中堅・中小企業にも取り組みが拡大・社会浸透していくことが想定されています。この過程で、企業と金融機関・投資家のエンゲージメントが深化し、ネイチャーファイナンスが拡大・質を向上させることが重要とされています。

NPE移行に向けた重要な視点と課題

重要な視点として、以下の3点が挙げられています。

  • 視点1: 地域の自然資本を活かし、企業価値と地域価値を同時に向上させる「ランドスケープアプローチ」の実現。
  • 視点2: 自然資本の環境価値を活用し、情報開示とネイチャーファイナンスの拡大を通じてNP経営を深化させること。
  • 視点3: 自然領域における国際的なルールメイキングに積極的に関与し、日本企業の国際競争力を強化すること。

課題としては、企業価値と地域価値の同時向上のための成功事例の創出や、生物多様性・自然資本の価値評価手法の確立、NP経営が企業価値に繋がるストーリーの浸透などが挙げられています。

このロードマップは、ネイチャーポジティブの実現に向け、官民が連携し、具体的な道筋を示すことで、自然資本を基盤とした新たな経済成長の好循環を生み出すことを目指しています。これにより、各ステークホルダーが主体的に行動し、2030年以降にネイチャーポジティブな取り組みの効果が発現することが期待されて、今後業界の活性化が予想されます。

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執筆者

神戸 修

神戸 修(こうべ おさむ)

株式会社グレイス ゼネラルマネージャー

大阪学院大学 流通科学部流通科学科卒 学生時代より、就活・キャリア支援のサークルを立ち上げ人材ビジネス会社、給食会社にて法人営業、採用、広報業務に従事 アニュアルレポート、統合報告書の作成 東日本大震災等では現地の医療関連従事者の業務サポートを手がける

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