ペロブスカイトとカルコパイライトの融合のタンデム型太陽電池とは | グリーンジョブのエコリク

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ペロブスカイトとカルコパイライトの融合のタンデム型太陽電池とは|グリーンジョブのエコリク

2025.7.31

トピック

ペロブスカイトとカルコパイライトの融合のタンデム型太陽電池とは

太陽光発電は持続可能な社会実現の鍵を握る技術ですが、さらなる普及には変換効率の向上が不可欠です。近年、この課題を打破する「次世代型太陽電池」として注目を集めているのが、ペロブスカイト太陽電池とカルコパイライト(CIGS)太陽電池を組み合わせた「タンデム型太陽電池」です。この革新的なアプローチは、それぞれの太陽電池が持つ異なる波長特性を巧みに活用し、単一型では到達できない高効率を実現する可能性を秘めています。

ペロブスカイト太陽電池とカルコパイライト太陽電池

ペロブスカイト太陽電池は、従来の太陽光パネルの変換率である15~20%(※1)以上である26.5%(※2)という高い変換効率を誇り、薄膜かつ軽量、さらに柔軟性も兼ね備えることから、設置場所の制約を大幅に緩和する特性を持っています。一方、カルコパイライト太陽電池は半導体の材料として、シリコンの代わりに、Cu(銅)、In(インジウム)、Ga(ガリウム)、Se(セレン)を使用し、変換効率15%(※3)を超えるものもあらわれてきています。

しかし、単一の材料で太陽光の全ての波長域を効率よく吸収するには限界があります。

そこで登場するのが、複数の異なる材料を積層するタンデム型太陽電池の概念です。

タンデム型太陽電池の特徴

ペロブスカイトとカルコパイライト太陽電池を組み合わせることで、ペロブスカイトが短波長域の光を効率的に吸収し、カルコパイライト太陽電池が残りの長波長域の光を吸収するという役割分担が可能になります。これにより、太陽光スペクトル全体をより広範囲かつ効率的に利用できるようになり、結果として単一型太陽電池の理論限界を超える変換効率が期待できます。

実際に、ペロブスカイト/シリコン・タンデム太陽電池セルの変換効率では、34.85%(※4)という変換効率が報告されており、その高性能化に向けた研究開発が加速しています 。この技術は、より少ない面積で多くの電力を生み出すことを可能にし、住宅用から大規模発電所、さらにはIoTデバイスや電気自動車など、多岐にわたる応用が期待されます。

タンデム型太陽電池は、それぞれの材料が持つ強みを最大限に引き出し、次世代のエネルギー社会を支える基幹技術として、今後の発展が強く期待されています。

出所)経済産業省「経済産業省HP 次世代型太陽電池に関わる動向について)」(※5

2040年度のエネルギー需給の見通しは、2050年カーボンニュートラル実現に向けた目標であり、特に再生可能エネルギーの最大限導入が重要視されていて、太陽光や風力によるエネルギー需給に期待が高まり、2040年に向けて業界は活性化するでしょう。

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執筆者

神戸 修

神戸 修(こうべ おさむ)

株式会社グレイス ゼネラルマネージャー

大阪学院大学 流通科学部流通科学科卒 学生時代より、就活・キャリア支援のサークルを立ち上げ人材ビジネス会社、給食会社にて法人営業、採用、広報業務に従事 アニュアルレポート、統合報告書の作成 東日本大震災等では現地の医療関連従事者の業務サポートを手がける

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