エコリクコラム

2025.7.29
トピック
今後の人材開発政策の在り方に関する研究会
「今後の人材開発政策の在り方に関する研究会報告書」は、AI進化やデジタル化による産業構造・働き方の変化に対応するため、日本の人材開発政策の現状と今後の方向性を整理しています。
総労働力供給の緩やかな減少傾向、高齢者・女性就業者の増加と非正規雇用の増大、ワーク・ライフ・バランス重視の価値観の浸透、そして中小企業を中心に続く人材不足が指摘されています 。また、AI・ロボットの進化によるタスクの変化、名目賃金の増加と実質賃金の減少、低い労働生産性、DX推進の遅れ(特に中小企業)といった課題も報告書では挙げられています 。企業の人材開発投資も低調で、OJT・OFF-JT実施率もコロナ禍前の水準に戻らず、特に非正規雇用労働者や中小企業での機会確保が課題とされています 。自己啓発の割合も横ばいで、仕事・家事・育児との両立やキャリア形成上の問題が指摘されています。
これからの人材開発政策が目指すべき社会の姿として、個人が自律的にキャリアを築きスキルを向上させること、企業が人材開発で生産性を高め持続的に発展すること、経済社会が人材の需給調整を通じて発展することが掲げられています。
実現に向けた課題
- 企業・労働者による人材開発の促進
- 労働供給制約への対応
- 労働者の自律的・主体的キャリア形成の促進
- デジタル技術の進展等による産業構造等の変化への対応
これらの課題に対応するため、今後の人材開発政策を考える上で重要な3つの「視点」として、「個別化」(個々の事情に合わせた支援)、「共同・共有化」(産業・地域単位での企業連携)、「見える化」(職務・スキル・処遇・人材開発の情報開示)が提唱されています。

近年、AI の進化やデジタル化の進展等により産業構造がこれまでにないスピードで変化し、働く人の構成や働き方も大きく変化しています。
そうした中で、企業は多様な人材採用、開発に取り組みつつ、デジタル技術の進展による産業構造の変化へ対応する必要があります。