エコリクコラム

2025.5.2
トピック
ハイブリッドワーク時代の新たなセキュリティ対策「ゼロトラスト」とは?
ハイブリッドワークが普及した現在、危険な社外から社内のみを守るという従来の「境界型セキュリティ」ではなく、「ゼロトラスト」という考えがスタンダードになりつつあります。
ゼロトラストとは
ゼロトラストとは、「何も信頼しない」ことを前提としたセキュリティ対策の考え方です。従来の境界型セキュリティでは、社内ネットワークは安全であるとみなしていましたが、ゼロトラストでは、社内外を問わず、全てのアクセスを検証し、最小限の権限のみを付与します。
具体的には、以下の3つの原則に基づいています。
- 全てのアクセスを検証する: ユーザー、デバイス、アプリケーションなど、全てのアクセスを検証し、信頼できるかどうかを判断します。
- 最小限の権限のみを付与する: ユーザーには、業務に必要な最小限の権限のみを付与し、不要なアクセスを制限します。
- 常に監視とログ収集を行う: 常にアクセス状況を監視し、ログを収集することで、不正アクセスや異常な挙動を早期に検知します。
従来のセキュリティ対策との違い
従来の境界型セキュリティでは、社内ネットワークは安全であるとみなしていましたが、ゼロトラストでは、社内外を問わず、全てのアクセスを検証します。

ゼロトラストが注目される理由・メリット・デメリット
ゼロトラストが注目される理由
- ハイブリッドワークの普及: 社内外を問わず、どこからでもアクセスできる環境が必要になったため。
- クラウドサービスの利用拡大: クラウドサービスの利用が増え、社内ネットワークの境界が曖昧になったため。
- サイバー攻撃の高度化: 従来の境界型セキュリティでは、高度なサイバー攻撃に対応できなくなったため。
ゼロトラストのメリット
- セキュリティ強化: 社内外を問わず、全てのアクセスを検証することで、セキュリティを強化できます。
- 柔軟なアクセス制御: ユーザー、デバイス、アプリケーションごとに、柔軟なアクセス制御が可能です。
- リスクの最小化: 最小限の権限のみを付与することで、情報漏洩などのリスクを最小化できます。
ゼロトラストのデメリット
- 導入・運用コスト: ゼロトラストの導入には、高度な技術や専門知識が必要となるため、コストがかかる場合があります。
- 複雑な運用: ゼロトラストの運用は、従来の境界型セキュリティよりも複雑になる場合があります。
ゼロトラストの基本原則
ゼロトラストの基本原則は、以下の通りです。
- ネットワークの内外を問わず、全てのトラフィックを検査・ログ記録する。
- 全てのネットワークリソースに、安全な方法でアクセスする。
- 全てのリソースへのアクセスは、動的なポリシーによって保護される。
- エンドポイントのセキュリティ体制を常に監視・評価する。
- 全てのアカウントとアクセス権限を厳格に管理する。
- セキュリティアーキテクチャは、ログや脅威インテリジェンスを収集・分析し、改善する。
ゼロトラストの課題と対策
ゼロトラストの導入には、以下の課題があります。
- 可視性の確保: 全てのアクセスを可視化し、監視する必要があります。
- ポリシーの策定: ユーザー、デバイス、アプリケーションごとに、適切なアクセス制御ポリシーを策定する必要があります。
- 技術的な複雑さ: ゼロトラストの導入には、高度な技術や専門知識が必要です。
これらの課題を解決するために、以下の対策が考えられます。
- ゼロトラストアーキテクチャの導入: ゼロトラストアーキテクチャを導入することで、可視性を確保し、ポリシーの策定を容易にします。
- 専門家による支援: ゼロトラストの導入・運用に関する専門家の支援を受けることで、技術的な課題を解決します。
- 継続的な改善: ゼロトラストは、一度導入すれば終わりではありません。常に状況を監視し、改善していく必要があります。
ゼロトラストは、ハイブリッドワーク時代の新たなセキュリティ対策として、今後ますます重要になり、推進していくためのセキュリティエンジニアも増加すると推測されます。