エコリクコラム

2025.4.30
トピック
「融資から株式発行へ」エクイティファイナンスとは?意味や種類、メリット・デメリットを解説
「貯蓄から投資へ」という流れは、個人の資産形成における言葉となってきています。ビジネスにおいてもエクイティファイナンスという「融資から株式発行へ」という潮流があります。エクイティという言葉をはじめ、エクイティファイナンスの意味やメリット・デメリットについて考えてみます。
エクイティとは
エクイティ(equity)とは、日本語で「株式」や「株主資本」を意味する言葉です。企業の資金調達方法の一つで、株式を発行して投資家から資金を調達することを「エクイティファイナンス」と呼びます。
エクイティの意味とデットとの違い
エクイティファイナンスとよく比較される言葉として、「デットファイナンス」があります。
エクイティファイナンスは、株式を発行することで資金調達を行うため、調達した資金を返済する必要はありません。一方、デットファイナンスは、金融機関からの融資や社債の発行など、負債による資金調達であるため、返済義務があります。
それぞれの特徴は以下の通りです。

エクイティファイナンスは4種類
エクイティファイナンスは、大きく分けて以下の4種類があります。
- 公募増資:不特定多数の投資家から株式を発行して資金調達を行う方法
- 第三者割当増資:特定の第三者(取引先や金融機関など)に株式を割り当てて資金調達を行う方法
- 株主割当増資:既存の株主に対して、持株数に応じて株式を割り当てて資金調達を行う方法
- 転換社債型新株予約権付社債(CB):株式に転換できる権利が付いた社債を発行して資金調達を行う方法
エクイティファイナンスのメリット、デメリット
エクイティファイナンスのメリットとしては、主に以下の点が挙げられます。
- 返済負担がない:調達した資金を返済する必要がないため、財務体質の強化につながります。
- 自己資本比率が向上する:自己資本が増えるため、企業の信用力向上につながります。
- 経営の自由度が高い:返済義務がないため、資金使途の自由度が高くなります。
- 経営権の希薄化:株式の発行により、既存株主の持ち株比率が低下し、経営権が希薄化する可能性があります。
- 配当金の支払い:株主への配当金の支払いが必要となる場合があります。
エクイティファイナンス導入の流れ
エクイティファイナンスを導入する一般的な流れは以下の通りです。
- 資金調達の目的・計画の策定
- 投資家との交渉・契約締結
- 株式の発行
- 資金の払い込み
エクイティとM&Aの関係について
エクイティファイナンスは、M&A(企業の合併・買収)と密接な関係があります。M&Aの資金調達手段として、エクイティファイナンスが活用されるケースも多く見られます。
エクイティ投資に向いている企業の特徴とは
エクイティ投資は、主にスタートアップ企業やベンチャー企業など、成長性の高い企業に向いています。これらの企業は、将来的な成長が期待できる一方で、事業が不安定なため、金融機関からの融資を受けにくい傾向があります。エクイティファイナンスは、このような企業にとって有効な資金調達手段となります。
特にサステナビリティ関連や社会貢献性が高いスタートアップ企業が対象になる傾向がここ数年多いです。
エクイティファイナンスは、企業の成長戦略において重要な選択肢の一つです。メリット・デメリットを十分に理解した上で、自社の状況に合った資金調達方法を選択することが重要です。
参考文献
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