エコリクコラム

2025.4.4
トピック
2025年問題と増える空き家対策。魅力あるまちづくりの重要性
空き家対策における官民連携の重要性
国土交通省は2025年2月28日に「空き家対策の推進に関する官民連携イベント(九州エリア)」を実施することを発表(※1)しました。このイベントは、空き家対策における地方公共団体と不動産事業者の連携を強化することを目的としています。空き家対策は、地方公共団体だけでなく、不動産事業者や地域住民など、多様な主体が連携することで、より効果的に推進できます。官民連携によって、それぞれの強みを活かし、空き家の有効活用や地域活性化につなげることが期待されます。
2025年問題とは:空き家増加の背景
2025年問題とは、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)となり、医療や介護の需要が急増する一方で、労働人口が減少することで、経済や社会に様々な影響を及ぼす問題です。団塊世代は持ち家率が高く、その中でも戸建て住宅を所有している世帯が75.3%を占めています。これらの住宅が相続によって空き家となるケースが増加することが予想され、空き家問題の深刻化につながると考えられています。

出所)内閣府「第1章 第3節 5団塊の世代の住居」(※2)
空き家問題とは:深刻化する現状
空き家問題は、景観の悪化、治安の悪化、防災上のリスクなど、様々な問題を引き起こします。2023年12月13日には「空き家等対策の推進に関する特別措置法」の一部が改正され、管理不全空き家の固定資産税等の住宅用地特例から除外される事になりました。相続時には、空き家の適切な管理や活用方法を検討することが重要です。
2025年以降の空き家の予想:増加の一途
2025年には420万戸、2030年には470万戸に達すると予想されています。空き家の増加は、地域社会に深刻な影響を与える可能性があります。
高齢化による空き家の増加とその影響:地方と都市部の違い
高齢化による空き家の増加は、地方と都市部で異なる影響を与えます。地方では、人口減少や過疎化が進み、空き家が放置されるケースが増えることが予想されます。一方、都市部では、相続や転勤などによって空き家が増加し、不動産価値の二極化が進む可能性があります。
公共サービスの低下と不動産価値への影響:地域経済の衰退
空き家が増加すると、地域の活力が低下し、公共サービスの維持が困難になる可能性があります。また、空き家が放置されることで、周辺の不動産価値が下落する恐れもあります。
課題解決:空き家をまちづくりへ
空き家問題の解決には、空き家の有効活用が不可欠です。以下に、空き家を活用したまちづくりの成功事例を紹介します。
空き家を地域交流拠点に
- 地域住民が集まるカフェやコミュニティスペースとして活用することで、地域の活性化につながります。
空き家を観光資源に
- 古民家を改修し、宿泊施設や体験施設として活用することで、観光客を誘致し、地域経済の活性化に貢献します。
空き家をスタートアップ支援拠点に
- 若手起業家向けのシェアオフィスやコワーキングスペースとして活用することで、新たなビジネスの創出を支援します。
魅力あるまちづくりに向けて
空き家対策は、地域住民、企業、行政が連携し、それぞれの強みを活かすことで、効果的に推進できます。空き家を地域の資源として捉え、創造的な活用方法を見出すことで、魅力あるまちづくりにつなげることが期待されます。
参考文献
執筆者
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