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2025.3.14

トピック

人生100年時代における「定年」と「健康」について

人生100年時代における「老後」とは一体何歳からのことなのでしょう?

日本老年学会・日本老年医学会「高齢者に関する定義検討ワーキンググループ」では、65~74歳は准高齢者であり、75~89歳が高齢者90歳以上が超高齢者であると定義しています。

1992年と2002年の高齢者の通常歩行速度を比べた調査結果では男女ともに11歳若返っている事が解ります。だからこそ、生涯現役で働く人も増えて来ています。

図1 年代ごとの歩行速度
出所)【厚生労働省】 第144回 市町村職員を対象とするセミナー「高齢者の就業機会の確保に向けて」(※1

世界の定年年齢

ほとんどの国では定年がありません。多くの国では、1980年から90年代に定年制を廃止しています。
現在、定年を定めている国の多くはアジアの国々です。また、定年を定めている国のうち、シンガポール、スウェーデン、アルゼンチンでは、定年年齢の引き上げを行っています。

表1 世界各国の定年年齢
出所)WTW「高齢者雇用・退職年齢に関する海外の動き」(※2

今後、人々がより高年齢まで長く働き続ける事が求められますが、その為には、以下3点が重要であると考えられています。

  1. 長く働き続けることを推奨する環境を作ること。
  2. 高年齢者に対する労働者雇用を企業に推奨すること。
  3. 生涯のエンプロイヤビリティ(雇用され続ける能力)を支援すること。

老化は業務に支障がでるのか

一般的に、細胞は20歳から減少し始め、意志や注意力を司る脳の前頭葉や記憶と関係している側頭葉が老化してくるといわれます。
老化によりもの忘れや注意力が散漫になったりするのは図のように短期記憶能力のためです。しかし、言語機能や感覚を司る機能は最後まで残り、判断力や総合的なものを考える力は衰えません
短期記憶とは「情報を保持する一時的な貯蔵庫」で、保持時間は10~30秒程度です。
感覚記憶のうち、覚えようと意図された情報が、短期記憶に入ります。
短期記憶は、数分から数時間の短い時間に情報を一時的に保持する能力で、5~8個程度とされています。短期記憶に関連する概念がワーキングメモリで、情報を一時的に記憶して思考処理に使用する能力のことです。

図2 認知能力の年齢による変化
出所)【厚生労働省】 第144回 市町村職員を対象とするセミナー「高齢者の就業機会の確保に向けて」(※1

(加齢と前頭葉)

人間は生涯を通じて、基本的な人格は変化しないと思われていますが、高齢になるに従って自分を抑える力が弱まります。
この原因は、加齢により前頭葉の機能低下である可能性があります。
前頭葉は、思考・判断・感情コントロール・コミュニケーションなど、人間らしさにかかわる機能を担っているのが特徴です。
また、ホルモンバランスが乱れるとイライラすることが増えます。セロトニンやドーパミンなどの分泌が低下すると、幸福感を得づらくなってしまいます。
高齢化に伴って各種ホルモンの分泌量が低下するのが一般的ですが、ストレスホルモンと呼ばれるコルチゾールは増加します。
そのため、高齢者は若者よりもストレスを感じて、イライラするケースが増えます。

では、どう対処をするのが良いのかというと1つはコミュニケーションを取る事です。
誰かと話すことで孤独感がなくなり、自己肯定感が上がります。

英国が世界で最初に「孤独担当大臣」を設置したのは2018年のことで、日本では2024年5月に「孤独・孤立対策推進法」が施行されました。それだけ「孤独」は社会が抱え、解決しなければいけない問題です。

もう一つは「笑うこと」です。

(笑いの医学的効果について)

笑う時には、「下腹部に力を入れて息を短く吐く」ことを繰り返しています。
笑う事は腹式呼吸と同じ呼吸法です。1回に出入りする空気の量は、胸式呼吸でおよそ500mL、腹式呼吸で最大2000mLにもなるため、1分間の呼吸量は腹式のほうが多くなります。

高齢者は一般的に、呼吸筋や横隔膜筋などが加齢によって弱くなることから、呼吸効率が低下し、肺気量減少、ガス交換効率も低下するため、健康な成人よりも、血液中の酸素飽和度が低くなります
しかし、大笑いすることで呼吸に必要な筋肉が大きく動かされ、息をしっかり吸ってしっかり吐くことができるようになるため、呼吸能力が高まります。

また、高齢者は加齢に伴い動脈は硬化し、血管の収縮力が低下しているため、血圧が変動しやすいとされています。
しかし、笑うことによって血管が拡張され、血圧を下げることができます。そのため、高血圧や動脈硬化のある高齢者は、声を出して笑うという行為を積極的に行うことが望ましいです。

(前頭葉を鍛える)

コミュニケーションを取り笑うだけなく、前頭葉の機能が低下しないようトレーニングする方法として「色読み脳年齢測定テスト」と「デュアルタスク」を紹介いたします。

色読み脳年齢測定テストとは、「色」と書かれている行は、漢字ではなく文字の色を読み、「読み方」と書かれている行は文字の色ではなく漢字を読むというテストです。

図3 色読み脳年齢測定テスト
出所)阿南市「自宅で手軽に!高齢者の脳トレーニング」(※3

もう一つが知的活動と運動の「デュアルタスク」になります。
川柳を詠みながらウォーキングするなど、知的活動と運動を同時に行うことです
一人で行うものもあれば、複数で行うものもあります。朝礼などで行うと脳の活性化にもなるため取り入れている企業もあります。
企業では進行役の人がじゃんけんで手では「ぱー」を出すけれど、口では「ちょき」といいます。
進行役以外の人は、右手は勝つために「ちょき」を出し、左手は負けるために「ぐー」を出します。
これをリズムよく5回行うことで前頭葉が鍛えられます。

まとめ

多様な働き方がある現在、「何歳まで」と決めずに働きたいという考えをもつ人が増えています。それに伴い、60歳以上の就業率も年々上昇しています。
健康で働きたい気持ちがあるうちは「何歳まで」と決めずに働くことが「長寿」につながることなのかもしれません。

そろそろ今働いている企業での「定年」がみえてきた人は、「業界を変える」ことや「環境を変える」ことで長く働ける環境を探すことや、健康に気を配る、長く働けるスキルを身につけるなどを意識しましょう。

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執筆者

神戸 修

神戸 修(こうべ おさむ)

  

株式会社グレイス ゼネラルマネージャー

大阪学院大学 流通科学部流通科学科卒
学生時代より、就活・キャリア支援のサークルを立ち上げ人材ビジネス会社、給食会社にて法人営業、採用、広報業務に従事
アニュアルレポート、統合報告書の作成
東日本大震災等では現地の医療関連従事者の業務サポートを手がける

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