エコリクコラム
2024.1.29
トピック
自分に適したサステナビリティ・ビジネスの見つけ方について~「ポテンシャル」を広げるアプローチの重要性~
今回は、グリーンジョブの拡がり、サステナビリティ・ビジネスを考える際の「ポテンシャル」について少し具体的にお話してみましょう。皆様は、どのようなアプローチで、転職先の業種や職種を考えておられるでしょうか?
新卒や第二新卒の方ならば、多くの方が、自分が今まで学校で学んできた学習内容や受けてきた教育課程を前提に、その知識を活かせるだろうか、という視点から仕事の可能性を考えられるのではないかと思います。あるいは、実務経験を有する社会人経験者の方ならば、さらに、前職で培ってこられた経験や業務内容を前提に、その延長線上での仕事内容を考えられるかもしれません。
しかし、今では、そうしたアプローチだけに依存することは、少し狭すぎてもったいないと考えられます。
例えば、かつての企業経営における環境問題といえば、公害対策であり、大気、水質、ダイオキシン類、騒音・振動などの公害防止管理に関わる技術者や有資格者、大学での化学系の学科専攻や知識が注目されてきました。当時は企業の生産プロセス等において生じる「ネガティブ」なアウトプットを対象に、最小のコストでどのようにコントロールし、法規制に適応させることが「環境対策」として企業活動を支えてきたからです。
しかし、SDGsに象徴される、現在の「サステナビリティ」、特に、ESG経営を推進する企業においては、公害管理などのネガティブ側面のコントロールはすでに当たり前で、企業の目指す役割は、さらにその先を進んでいます。ESG経営戦略としての「サステナビリティ・ビジネス」は、様々な社会課題を解決して持続可能な社会を実現するために、社会の仕組みの再構築を進めたり、今までとは全く異なるビジネスモデルを市場に提案することを求めています。
したがって、従来の商品・サービスを越えこのような視点で企業のポテンシャルを考えられる人材こそ、現在の企業から求められる資質といえるのです。
その一例として、最近サステナビリティ・ビジネスとして改めて注目されている業種として「建築・空間デザイン産業」の例を紹介してみましょう。この範疇には、ゼネコン、ハウスメーカー、不動産デベロッパーやオフィス空間デザイン・施工企業などが含まれています。都市インフラやハードの整備が行きわたり、人口減少に向かう日本社会では「成熟産業」と位置付けられることもありましたが、いま、それが変化しています。
身近な例として、SDGsのゴール3でも重視される「子供の健やかな成長」の実現を考えてみましょう。子育てに重要な「おむつ」メーカーならば、着脱容易で漏れの少ない、乳児にとって快適で保護者にとっても便利な高機能な製品の開発・提供によってこの社会課題を実現できます。しかし、「建築・空間デザイン産業」ならば、その提案は、まだまだ広げられます。例えば、①授乳・おむつ交換のしやすい都市空間整備、②乳幼児の安全、安心配慮の室内デザイン、③乳幼児の健全な成長を支える空間提案、④子連れ出社などに対応するオフィス整備、⑤成長過程に対する可変性の高い建物、⑥新しいタイプの保育施設の提案 等々…、社会の仕組み自体に影響を与えて解決を促すことも可能なのです。
さて、いかがでしょうか?転職における「ポテンシャル」は、経験の無さを意味するものではありません。皆さま自身が、どれだけ持続可能な社会の解決に対する想いを持ち、想像力・イマジネーションを膨らませることが出来るか、なのです。自らで制限を課すことなく、新たなチャレンジにトライされることを応援しています。
もし、あなたがどのような業種や職種にチャレンジ可能か迷ったら、エコリクのマッチングディレクター(MD)に相談してください。(キャリア相談の申込ページはこちら)
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