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SDGsってかっこいい?!

2020.12.23

トピック

SDGsってかっこいい?!

最近、SDGsという言葉をテレビで見たり聞いたりするようになりました。子供までが、テレビでみんなが付けているレインボーのバッジは何?と聞いてきました。
何かSDGsって、ファッションやおしゃれのような扱い方もされているように思えて、意外な言葉の浸透に驚いています。まるで、タピオカ、ペンパイナッポーアッポーペンなどのような耳慣れない言葉が広まったように、浸透していくと面白いなと感じました。

ここでなんとなく知っているようではっきり知らない、SDGsについて書こうと思います。最近、カタカナや横文字の言葉が増えてきて、一度聞いただけでは覚えられなくなってきました。まず、今さら聞けない読み方ですが、「エス・ディー・ジーズ」と読みます。

2015年9月に国連本部において「国連持続可能な開発サミット」が開催され、そこで採択された「我々の世界を変革する:持続可能な開発のための2030アジェンダ」に記載されている、持続可能な開発目標のことをSDGs(Sustainable Development Goals)といいます。現在と将来における、人々と地球の平和と繁栄のための行動計画として宣言と目標がかかげられ、2030年までに目指す、17の目標と169のターゲットで構成されています。

図1 SGDsの17のゴール
図1) SGDsの17のゴール
出所)国際連合広報センター「SDGsポスター(17のアイコン 日本語版)」(※1

環境やエネルギーへの貢献は個人ではあまりピンとこないかもしれませんが、これらの17の目標の中には普段の生活で既に行動していることがあると思います。世界の目標ですが、より身近に感じられるのではないでしょうか。昔、「アメリカがくしゃみをすれば、日本が風邪をひく」と言われていたことがありました。この新型コロナの状況を考えれば、「誰かがくしゃみをすれば、世界が風邪をひく」ことになっています。また逆を言えば、世界が協力すればみんなが助かる、まさにSDGsの「17 パートナーシップで目標を達成しよう」ということに当てはまるのではないでしょうか。

SDGsとは別に、菅総理大臣が、10月26日の国会における所信表明演説で「我が国は、2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指すことを、ここに宣言いたします。」と述べました(※2)。この「2050年カーボンニュートラル」宣言(2050年までに温室効果ガス排出ゼロ)は、これまでさまざまな対策に目標年はあったにも関わらず、国民に向かってはっきり宣言した記憶がなかったように思います。

企業は、特に大手企業ともなるとその社会的な責任も大きくなり、各社のホームページを見ると、環境や社会に貢献している内容が記載されたCSR(Corporate Social Responsibility)レポートが掲載されています。これ以外にも、会社が入っているオフィスビルの床面積が大きい場合、発生する廃棄物の種類と発生量、そのリサイクル量など細かい報告を自治体に提出したり、RE100などのような団体に加盟するなど企業努力が見られますが、日常の生活ではこれらをあまり目にすることはありません。

環境省「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド」の中にあるように(下図参照)、これらの企業努力をSDGsの目標とからめて公表することで、わかりやすく理解しやすく浸透しやすくなっていくことを期待したいと思います(文末に国際連合広報センターのサイトに掲載されている、SDGsのロゴやアイコンの使用方法のURLを記載します)。

図2 企業活動と SDGs のつながり
図2) 環境省「持続可能な開発目標(SDGs)活用ガイド[第2版]」(※3

子供が硬式テニスのジュニア大会に出ていた頃、1万円以上するテニスシューズが2〜3か月しかもたず、しかもクレーコート用とハードコート用の2種類買い替える必要がありました。靴底だけがすり減り練習や試合に使えないだけで、シューズの上のほうはまったく問題ないのです。ごみに出すのは忍びなく何足も溜まっていましたが、アフリカに靴を送るプロジェクトを知り、手数料を振り込んで大きな段ボールいっぱいにシューズを詰めて団体へ送りました。行動を起こすまでは億劫で時間がかかりましたが、私の心はすっきりしました。そして、アフリカのどこかで子供の汗と涙が混じったカラフルなシューズが走っていると思うと、嬉しくもあります。

SDGsの目標年は2030年、我が国が温室効果ガス排出ゼロにするのは2050年、2020年の今から10年後、30年後の目標になります。ミレニアムの2000年を迎える前はノストラダムスの大予言があり、本当にその年が来るのかと子供の頃は思っていましたが、あっという間に迎え、そして20年が過ぎ去ろうとしています。そう遠くない将来まで、もたもたしていられないかもしれません。まずは一人一人が取り組めることからやってみませんか?

著者プロフィール

亀本 裕子(かめもと ゆうこ)

亀本 裕子(かめもと ゆうこ)

岩手県立一関第一高等学校理数科卒
法政大学工学部建築学科卒

設計事務所に勤めた後、結婚を機に夫の赴任先であるアメリカに滞在、帰国後、シンクタンクで働いている。国土基盤、エネルギー、環境の分野は建築とはそう遠からず。一児の母であり、建築家の妻でもある。

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