大阪・関西万博が開幕!「持続可能性」を軸とした未来社会のデザインに注目 | グリーンジョブのエコリク

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大阪・関西万博が開幕!「持続可能性」を軸とした未来社会のデザインに注目|グリーンジョブのエコリク コラム

2025.4.23

トピック

大阪・関西万博が開幕!「持続可能性」を軸とした未来社会のデザインに注目

2025年4月13日、「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマに、158の国と地域が参加する大阪・関西万博が開幕しました。分断が進む世界において、各国が社会課題の解決に向けた革新的な技術や文化、伝統を発信するこの国際的な祭典は、持続可能性への強いコミットメントを掲げています。

特に注目すべきは、2024年9月20日に発表された「使いやすいサステナビリティガイドブック」をはじめとする、万博全体で展開される持続可能性への取り組みです。企業がこれらの動きを理解し、連携することで、新たな事業機会の創出や企業価値の向上に繋がる可能性があります。

使いやすいサステナビリティガイドブックとは

このガイドブックは、大阪・関西万博に関わる全ての参加者(出展者、運営者、来場者、パートナー企業など)が、持続可能な行動を実践するための具体的な指針を示すものです。環境負荷の低減、資源の有効活用、多様性の尊重、人権への配慮など、幅広いテーマを網羅し、誰にでも理解しやすい言葉で解説されています。企業にとっては、自社の事業活動や出展計画を持続可能な方向へと導くための重要なツールとなります。

持続可能な大阪・関西万博開催の取り組みとは

大阪・関西万博は、イベントの企画・運営から参加者の体験まで、あらゆる側面で持続可能性を追求しています。その取り組みの骨子は以下の通りです。

1)方針(サステナビリティ基本方針)

万博の開催を通じて、SDGs(持続可能な開発目標)の達成に貢献し、未来世代のための持続可能な社会の実現を目指すという基本的な考え方を示しています。環境、経済、社会の3つの側面から持続可能性を捉え、バランスの取れた取り組みを推進します。

2)行動計画(サステナビリティアクションプランVer.2)

基本方針に基づき、具体的な行動目標と実施計画を定めています。エネルギー、資源、自然共生、人権・労働、調達、コミュニケーションなど、多岐にわたる分野で具体的なアクションが計画されており、進捗状況は定期的に公開されます。企業にとっては、これらのアクションに連携する形で、自社の技術やソリューションを提供できる可能性があります。

3)EXPO 2025 グリーンビジョン

万博の環境負荷を最小限に抑え、脱炭素社会の実現に貢献するための長期的なビジョンです。会場建設における環境配慮、再生可能エネルギーの導入、資源循環システムの構築、生物多様性の保全など、具体的な目標と取り組みが示されています。企業の環境技術やノウハウが活かせる領域が多く存在します。

4)持続可能性に配慮した調達コード

万博で使用する物品やサービスを調達する際の基準を示したものです。環境負荷の低い製品の優先的な採用、サプライヤーにおける人権・労働環境への配慮などが求められます。企業にとっては、この調達基準に合致した製品やサービスを提供することで、万博への参画機会が広がります。

5)人権方針

万博に関わる全ての人々の人権を尊重し、差別のない公正な環境を確保するための基本的な考え方を示しています。企業は、自社の事業活動においてもこの人権方針を尊重し、サプライチェーン全体での人権尊重に取り組むことが求められます。

大阪・関西万博で披露される社会課題の解決に向けた次世代の技術

万博のテーマである「いのち輝く未来社会のデザイン」に基づき、世界各国や企業が、健康・医療、食料、環境、エネルギー、防災など、様々な社会課題の解決に貢献する革新的な技術やソリューションを展示・紹介します。これらの技術は、企業の新たな事業展開や技術革新のヒントとなる可能性を秘めています。

2025年以降注目されるイベントテクノロジーとは

持続可能なイベント運営を実現するため、大阪・関西万博では様々なテクノロジーが活用されます。

  • エネルギーマネジメントシステム: 会場全体のエネルギー消費を最適化し、再生可能エネルギーの効率的な利用を支援します。
  • スマートゴミ管理: AIを活用したゴミの分別・回収システムにより、廃棄物のリサイクル率向上と効率的な処理を目指します。
  • デジタルツイン: 現実の会場を仮想空間に再現し、シミュレーションを通じて環境負荷の低減策を検討します。
  • 参加者向けデジタルプラットフォーム: スマートフォンアプリなどを活用し、公共交通機関の利用促進、ゴミの分別方法の案内、環境負荷低減に貢献する行動へのインセンティブ付与などを行います。

これらのイベントテクノロジーは、今後の企業のイベント運営やマーケティング活動においても重要な示唆を与えるでしょう。また今後は次のようなイベントテクノロジーの活躍も期待できます。

  1. 仮想イベントプラットフォームの進化
    • ハイブリッドイベントの増加: オンラインとオフラインを組み合わせたハイブリッドイベントがさらに普及。
    • 没入感のある体験の提供: VR/AR技術を活用し、オンラインでもリアルなイベント体験を再現。
    • AIによるパーソナライズ: 参加者の興味やニーズに合わせたコンテンツや体験の提供。
  2. データ分析とAIの活用
    • イベントデータの収集と分析: イベントの参加者や行動に関するデータの収集と分析により、イベントの改善やマーケティングに活用。
    • AIによる予測と最適化: AIを活用して、イベントの参加者数や収益を予測し、最適なイベント運営戦略の策定が可能。
  3. イベント自動化ツールの普及
    • イベント管理の効率化: イベントの企画、運営、集客、分析などの業務を自動化することで、人手不足やコスト削減に貢献。
    • AIを活用した自動化: AIを活用することで、イベントの参加者へのパーソナライズドなアプローチや、リアルタイムなイベント状況の把握が可能。
  4. イベントセキュリティの強化
    • サイバー攻撃対策: オンラインイベントのセキュリティ対策が必須。
    • 参加者情報の保護: 個人情報の保護や漏洩防止対策の強化。
    • 安全なイベント環境の構築: 会場での安全対策や、オンラインイベントでの参加者間のトラブル防止対策の強化。
  5. イベントの新たな体験価値の追求
    • 非接触型イベントの増加: COVID-19の影響で、非接触型のイベントがさらに注目される。
    • 体験型イベントの拡充: 参加者が体験できるイベントの増加。
    • サステナブルなイベントの推進: 環境に配慮したイベントの開催が求められる。

これらのトレンドとツールをうまく取り入れることで、より魅力的で効果的なイベントの開催が可能になります。また、新たなテクノロジーの活用により、イベント業界の革新が進むことが期待されます。

大阪・関西万博は、持続可能性を中核に据え、未来社会のデザインを描く壮大な実験場と言えます。企業にとって、この万博への参画は、自社の持続可能性への取り組みを世界に発信し、新たなビジネスパートナーシップを構築する絶好の機会となります。万博のサステナビリティに関する方針や行動計画を深く理解し、積極的に連携することで、企業は持続可能な成長と社会課題の解決に貢献することができるでしょう。

この機会を捉え、大阪・関西万博が提示する未来社会のビジョンに共鳴し、共に持続可能な未来を創造していく企業が増えることを期待します。

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執筆者

神戸 修

神戸 修(こうべ おさむ)

株式会社グレイス ゼネラルマネージャー

大阪学院大学 流通科学部流通科学科卒 学生時代より、就活・キャリア支援のサークルを立ち上げ人材ビジネス会社、給食会社にて法人営業、採用、広報業務に従事 アニュアルレポート、統合報告書の作成 東日本大震災等では現地の医療関連従事者の業務サポートを手がける

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