2025年問題と最新技術トレンド:人事担当者が知っておくべき未来への備え | グリーンジョブのエコリク

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2025年問題と最新技術トレンド:人事担当者が知っておくべき未来への備え|グリーンジョブのエコリク コラム

2025.5.9

トピック

2025年問題と最新技術トレンド:人事担当者が知っておくべき未来への備え

2025年問題というと、社会保障制度の崩壊や年金の減額などが取り上げられがちですが、最大の課題は少子高齢化による労働力人口の減少です。労働力人口が減少すると、人材の確保が難しくなり、採用活動費用の増加、人手不足による離職率の増加、社会の変化への対応の遅れなど、人事担当者にとって深刻な問題を引き起こす可能性があります。

本記事では、2025年問題の概要、業界別の課題、そして2025年以降に注目される技術トレンドについて解説します。

2025年問題とは

2025年問題とは、団塊の世代が後期高齢者(75歳以上)に達することで、医療や介護の需要が急増し、社会保障制度の維持が困難になる可能性を指します。しかし、人事担当者にとってより重要なのは、労働力人口の減少による人材不足です。

  • 労働力人口の減少:少子高齢化により、労働力の中核を担う世代が減少し、人材の確保が困難になります。
  • 採用活動の難航:人材不足は採用競争を激化させ、採用コストの増加や採用期間の長期化を招きます。
  • 離職率の増加:人手不足による労働環境の悪化は、従業員の不満を高め、離職率を増加させる可能性があります。
  • 社会の変化への対応の遅れ:人材不足は企業の成長を阻害し、社会の変化への対応を遅らせる可能性があります。

業界別の課題とは

2025年問題は、各業界に異なる影響を与えます。

  • 医療・介護業界:高齢者人口の増加に伴い、医療・介護サービスの需要が急増し、人材不足が深刻化します。
  • 建設業界:労働者の高齢化が進み、若手人材の確保が急務となります。
  • IT業界:技術革新のスピードが速く、常に新しいスキルを持つ人材を確保する必要があります。
  • 運輸業界:ドライバー不足が深刻化し、物流の停滞が懸念されます。

2030年、2040年問題に向けて

2025年問題は、今後の高齢化社会の始まりに過ぎません。2030年、2040年にはさらに高齢化が進み、労働力人口の減少が加速します。企業は、長期的な視点に立ち、人材の確保・育成、労働環境の改善、テクノロジーの活用など、様々な対策を講じる必要があります。

2025年以降に注目される技術トレンドとは

  1. AI(人工知能)の進化と応用
    • 生成AIの高度化:
      • テキスト、画像、音声、動画など、多様なコンテンツを生成するAIの精度が向上し、クリエイティブな業務やコンテンツ制作に革命をもたらします。
      • 人事領域においては、採用候補者のスクリーニング、研修コンテンツの作成、従業員エンゲージメントの向上などに活用されるでしょう。
    • エージェント型AI:
      • 自律的にタスクを実行するAIエージェントが普及し、業務効率を大幅に向上させます。
      • 例えば、従業員のスケジュール管理、タスクの優先順位付け、情報収集などを自動化し、従業員はより戦略的な業務に集中できるようになります。
    • AIガバナンスの重要性:
      • AIの倫理的な利用やリスク管理が重要になり、AIガバナンスのプラットフォームやツールが普及します。
      • 人事領域においては、採用や評価におけるバイアスを排除し、公平性を確保するために、AIガバナンスが不可欠となります。
  2. 次世代コンピューティング技術
    • 量子コンピューティング:
      • 従来のコンピュータでは解決が困難な複雑な問題を高速に処理できる量子コンピュータが実用化され、創薬、金融モデリング、材料開発などの分野に革新をもたらします。
      • 量子コンピュータは、従来の暗号を解読できる可能性があり、ポスト量子暗号の研究開発が加速します。
    • ニューロモーフィックコンピューティング:
      • 人間の脳の構造を模倣したニューロモーフィックチップが開発され、低消費電力で高度なAI処理が可能になります。
      • エッジAIやIoTデバイスなどへの応用が期待されます。
  3. 拡張現実(XR)とヒューマンインターフェース
    • XR(VR/AR/MR)の進化:
      • 仮想現実(VR)、拡張現実(AR)、複合現実(MR)技術が進化し、没入感の高い体験や現実世界と仮想世界を融合した新しいサービスが生まれます。
      • 研修や教育、リモートワーク、エンターテインメントなど、幅広い分野で活用されます。
    • BMI(ブレイン・マシン・インターフェース):
      • 脳波を直接コンピュータに接続し、思考や脳波でデバイスを操作するBMI技術が進化し、医療、リハビリ、ゲームなどの分野で応用が広がります。
  4. 分散型テクノロジー
    • ブロックチェーンの進化:
      • 暗号資産だけでなく、サプライチェーン管理、デジタルID管理、スマートコントラクトなど、様々な分野でブロックチェーンの活用が進みます。
      • 人事領域においては、従業員のスキルや経歴を証明するデジタル証明書の発行や、給与支払いの効率化などに活用される可能性があります。
  5. サステナビリティ関連技術
    • グリーンエネルギー技術:
      • 太陽光発電、風力発電、水素エネルギーなど、再生可能エネルギーの効率化やコスト削減が進み、脱炭素社会の実現に貢献します。
    • 環境に溶け込むインテリジェンス:
      • センサーやAIを活用し、環境負荷を低減するスマートシティやスマートビルディングが普及します。

これらの技術トレンドは、人事領域にも大きな影響を与え、人材採用、人材育成、従業員エンゲージメント、働き方改革など、様々な分野で革新をもたらす可能性が高いです。

2025年問題は、人事担当者にとって大きな課題ですが、同時にチャンスでもあります。テクノロジーを活用し、柔軟な働き方を導入することで、人材不足を克服し、企業の成長につなげることができます。

人事担当者は、2025年問題と最新技術トレンドを理解し、未来への備えを始めることが重要であり、今後、企業が持続継続的に発展していくための方針をPRしていくことも大切です。

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執筆者

神戸 修

神戸 修(こうべ おさむ)

株式会社グレイス ゼネラルマネージャー

大阪学院大学 流通科学部流通科学科卒 学生時代より、就活・キャリア支援のサークルを立ち上げ人材ビジネス会社、給食会社にて法人営業、採用、広報業務に従事 アニュアルレポート、統合報告書の作成 東日本大震災等では現地の医療関連従事者の業務サポートを手がける

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