エコリクコラム
2025.1.23
トピック
長く健康でいるために
日本の現状
2025年には、65歳以上の高齢者数は3,657万人となり、国民の約3人に1人が高齢者になると予測されています。
特に、今後医療費・介護費の増大や医療体制維持が困難になるなど不安になる情報も多いです。
長く健康でいるためにはどうすればいいのか?
その社会課題について考えてみました。
現状を知る 死因構成割合
日本人の死因上位は、1位が悪性新生物(腫瘍)、2位が心疾患、3位が老衰、4位が脳血管疾患です。(厚生労働省の令和5年(2023) 人口動態統計月報年計より)
1位、2位、4位の対策をされている方は多いと思いますが、5位の肺炎、6位の誤嚥性肺炎についてはいかがでしょうか
そもそも、どうしてこの2つが上位の死因になるのか、まだまだ知られていないかと思います。
特に70歳以上の死亡要因で見るとこの肺炎ないし、誤嚥性肺炎の死因率は高くなります。
加齢と誤嚥について
誤嚥が起きることは脳疾患などによる後遺症を除けば、加齢による嚥下障害(噛む、飲み込む能力の低下)が原因だと言われています。
主な原因は以下の通りです。
- ①噛む・飲み込む⼒の低下
- ②唾液分泌量の減少により⾷塊の形成が難しい
- ③のどの奥の知覚低下などに伴う嚥下反射の遅れ
このうち、①と③については口トレと呼ばれるトレーニングなどで対処が可能であり、②については食事の調理方法で対応が可能です。
噛む・飲み込む能力
噛む、飲み込む能力は口と下の動きと連動しています。そのため口や喉、舌の筋肉を鍛えたり、唾液を飲み込む練習をしたりして、飲み込む機能を高めることで能力の維持は可能です。
口を動かすことの中には『話すこと』も重要です。70歳以上の男性の死亡要因に誤嚥性肺炎や肺炎が多いのは、仕事をしなくなったことにより会話する機会が減少したことも関係があるのかもしれません。
実際に、1日の会話時間が3時間未満の方の口腔内の筋力が低下しているという調査結果もあります。
舌苔と誤嚥性肺炎
誤嚥をするから誤嚥性肺炎になるわけではなく、口腔内が清潔に保てていないから誤嚥性肺炎になります。
口の中、特に舌には、舌苔といわれる細菌や唾液の成分、食べ物のタンパク質の残りかすなどが固まってできたものが付着しています。
食事や会話で舌が動くことである程度この舌苔は落ちますが、加齢により舌の動きが鈍くなったり唾液の分泌量が減ったりすると、舌苔が残りやすくなります。
この舌苔が多い状態で誤嚥すると誤嚥性肺炎になります。
舌苔を防ぐにはパイナップル
パイナップルには、唾液の分泌を促す効果があると言われています。パイナップルに含まれるタンパク質分解酵素「プロメライン」が、舌の表面のタンパク質を分解することで、舌苔を除去し、口臭の予防につながります。また、パイナップルジュースの味や香りが感覚的な刺激となり、唾液の分泌を促す効果もあります。
噛む、飲み込む能力が落ちた時の調理方法について
噛む、飲み込む能力が落ちた方の中には、飲み込む際にうまく食塊を形成できない方もおられます。 この食塊というのは食べ物が口の中で咀嚼されて唾液と混ざり、飲み込みやすい状態になった塊のことです。
食べているときにむせることが増えてきたと思われる方は、気が付かないうちに嚥下機能が低下してきているのかもしれません。
むせることが増えると食欲が低下しやすくなりますし、食事量が低下するとフレイル状態(加齢によって心身が老い衰え、健康な状態と要介護状態の中間に位置する状態)になりやすくなります。
口トレをしながら、筋力維持をしても不安な場合は次のような調理方法も検討ください。
主食について
通常、炊飯する際はコメ:水の比率は1:1.1が普通だと思います。炊飯時にコメ:水の比率を1:1.2から1.5までの間に変更し、ぼてっとしたご飯にすると食塊にしやすくなります。
野菜の切り方について
通常、野菜は繊維にそって切るかと思いますが、介護食の場合は繊維を断ち切るように切ります。また、キャベツの千切りなどはさっと湯通しすると柔らかくなります。
※ゆですぎるとべちゃっとなります。ゆでる時間は調整してみてください
煮物などの場合
肉じゃがなどの煮物の場合、通常野菜は乱切りかと思います。小さく切りすぎると誤嚥する可能性が高くなりますので、短冊切りで煮るとある程度形が残りつつ、柔らかい形にすることができます。
長く健康でいるためには、定年後も勤務できる、もしくは働くことが重要なのかもしれません。特に65歳以上の方の就業による健康寿命の延伸に期待している企業や団体も多く、また、実際に就業の継続が健康長寿につながることを示す研究結果も多く生み出されています。
エコリク内には高齢者向けの求人もございますので、ぜひご覧いただき、エントリーやお問い合わせください。
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