エコリクコラム

2025.5.27
インタビュー
脱炭素社会の実現、持続可能な社会の構築へ|株式会社エックス都市研究所
株式会社エックス都市研究所(本社:東京都豊島区)は1971年に東京大学都市工学科を卒業した3名が中心となり都市・公害問題解決のために創設・起業されました。その後の日本、また海外の環境・都市問題の変遷とともに業務領域も拡大し、環境と都市の社会課題に特化したコンサルタント・プランニングオフィスとしてその地位を確立しています。
現在は主に以下に関する政策/事業に関わっています。
- 国際的な環境政策
- 化学物質・環境リスク管理
- 資源循環・サーキュラーエコノミー
- 環境・都市に関する事業化支援・施工監理
- まちづくり・都市計画
- 持続可能な地域・都市づくり
- 温暖化対策・エネルギー
- 途上国技術協力
エコリクの紹介を通じて2023年に入社した河村泰志さんは、主に化学物質と廃棄物に関する環境問題の国際環境条約等に関する交渉、国内における実施、途上国支援を行っている政策研究部門国際環境政策グループの研究員としてコンサルタント業務に従事しています。1996年生まれの河村さんは国内の大学卒業後大手広告制作会社勤務を経て、イギリスの大学院で持続可能な開発学修士課程修了後に入社しました。今回河村さんにエックス都市研究所採用担当の田口圭子さんがインタビューを実施した様子をご紹介します。
入社してからどれくらいで、どういうお仕事をしていますか。
入社して1年半くらい経ちました。関わっている業務は大体3カテゴリで、
- 水銀やプラスチック、窒素等の化学物質の国際枠組みや条約への対応
- 条約の実施における国内対応
- 条約実施における途上国支援
を担当しています。
具体的には、1つ目の条約及び国際枠組みへの対応に関しては、持続可能な窒素管理を目指す国連環境計画 (UNEP) の作業部会での支援や、水銀に関する水俣条約や現在交渉中のプラスチック条約の交渉支援、化学物質に関するグローバル枠組み(GFC)等の化学物質に関する国際枠組みの対応をしています。2つ目の条約実施の国内対応水俣条約に基づく水銀使用製品や水銀廃棄物の適正な処理を支援しています。最後に途上国支援に関しては、日本の経験を活かして水銀対策を促進するよう、途上国の工場等での日本の水銀対策技術の導入を支援しています。他にも、UNEPの水銀に関する国際的なパートナーシップの活動も支援しています。
入社前と後でギャップはありましたか。
当社では、個人が独立して仕事を進める印象が強いです。前職では異なる部門やグループ内の会社、時には社外の機関と連携してプロジェクトを進めることが多く、日中に会議が多くあったため自分の作業時間を確保することに苦労しましたが、現在はそれぞれが専門性を活かして独立して業務を進める印象があります。
実際、転職してみて自分の所属しているグループなどの雰囲気はどうでしょうか。
前の会社より好きかもしれません。上下関係が少なく、年齢に関わらず敬語で話すことが多いです。前職では業務外でも若手には多くの役割が求められましたが、現在は年齢に関係なく尊重される雰囲気です。

当社を知ったきっかけはエコリクからの紹介でしょうか。
その通りです。エージェントに登録するメリットは、普段知る機会がない会社を紹介頂けることです。その点でも、この記事の読者の方にも当社を知ってもらえるきっかけになって良いと思います(笑)。
前職は大規模で一般的にも知られている会社でしたが、当社は世間一般に知られていない会社です。転職を考える時に心配はなかったでしょうか。
学生時代にかなり小規模の会社でのインターンシップを経験していたので、心配はなかったです。当社にはそれなりに歴史もあり、ウェブサイトを見ても事業が確立されている印象がありました。
自分でも他の企業も受けていたと思いますが、最終的に当社に決めたポイントは。
当時、他にB to B系のコンサルタント、いわゆるビッグ4の会社のひとつからも採用通知をいただいていたのですが、決め手は3つありました。1つ目は、大学院時代の勉強の延長線上の業務に従事できること、2つ目は、国内の会社で主に官公庁向けに事業を展開しており、日本への貢献という意味合いが働く上で強そうだと思ったこと、3つ目に条件面での提示年収がほぼ同じだったので1年目の条件がそこまで変わらないのであれば前述の2つを優先できると思ったことが決め手です。特に国際環境政策に関われることが魅力的でした。
日本の大学を卒業して、一度就職後に修士で開発学系に進んだ理由は。
『持続可能な』開発に興味があり、特に環境面に配慮した開発・発展を学びたかったからです。開発の文脈では、以前までのミレニアム開発目標(MDGs)とは違い、現在のSDGsでは途上国に加えて先進国に対しても様々な取組が求められており、日本においても課題が多いと感じていました。
今業務で英語を使いますが、英語圏の大学院での勉強と比較してどうでしょうか。
専門用語の理解が必要ですが、大学院での経験も役立っています。特に、授業で様々な訛りで話される英語を理解しながら議論した経験が役立っています。
英語も重要ですが、業務内容は化学など理系寄りです。その点についてはどうですか。
近々技術士の資格試験も受ける予定でして、こういった追加的な勉強は必要ですが、国際環境政策の分野ではほぼ常に学際的なアプローチが求められるので文系の知識を活かせる場面も大いにあります。
今の仕事の醍醐味、やりがいを感じる点は。
国際的な意思決定の場に立ち会えることや、自分の仕事が国際的な文書に反映される可能性があることが醍醐味だと思います。また、国際政策分野を志望する場合国連機関等が候補に挙がりやすいですが、現実的には20代のうちに就職することは難しい面も多いです。それに対し、当社では20代のうちから国際条約交渉に関われることも魅力だと思います。
今後のキャリアアップはどのように考えていますか。
国際的な交渉の場で専門家として助言し、それを国内や途上国に還元できるようになることが理想です。また、国内・途上国対応、企業支援など様々な切り口の仕事の経験も積んでいきたいです。

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