エコリクコラム

2025.5.30
トピック
「多様な正社員」制度導入マニュアルについて
厚生労働省ではテーマに沿って様々な情報サイトを設けていますが、その一つに「多様な働き方の実現応援サイト」があります。このサイトに、「多様な正社員」制度導入マニュアルが公開されました。
「多様な正社員」とは
「多様な正社員」とは、従来の正社員と比べて、職務内容、勤務地、労働時間などを限定して選択できる正社員を指します 。
「多様な正社員」の種類
- 短時間正社員:1週間の所定労働時間が短い、または所定労働日数が少ない正社員 。
- 勤務地限定正社員:転居を伴う転勤がない、または一定地域内でのみ異動のある正社員 。
- 職種・職務限定正社員:職種・職務の内容が一定の範囲に限定された正社員 。
「多様な正社員」導入の目的
企業が「多様な正社員」制度を導入する目的は、主に以下の通りです 。
- 社員のワークライフバランスを支援するため
- 正社員の定着を図るため
- 優秀な人材を社外から採用するため
「多様な正社員」導入の効果
「多様な正社員」制度を導入することで、企業は以下のような効果を期待できます 。
- 多様な人材の確保・活用
- 従業員の多様な働き方の実現
- 事業の安定的な運営や成長
「多様な正社員」制度の導入プロセス
マニュアルでは、「多様な正社員」制度の導入を3つのステップで解説しています 。
- ステップ1:現状把握、「多様な正社員」の活躍イメージを検討する
- ステップ2:「多様な正社員」の制度を設計する
- ステップ3:「多様な正社員」制度の導入・移行を行う
各ステップにおける企業の取り組み
ステップ1:現状把握、「多様な正社員」の活躍イメージを検討する
- 人事管理上の課題の整理
- 「多様な正社員」の活躍イメージの検討
- 社員区分の状況の整理
- 「多様な正社員」導入に係る検討項目の確認
ステップ2:「多様な正社員」の制度を設計する
- 「多様な正社員」の業務内容・待遇等の全体像の整理
- 等級の設計
- 待遇の設計
- 転換ルールの設計
ステップ3:「多様な正社員」制度の導入・移行を行う
- 就業規則において改定が必要な箇所の確認
- 関係者向けの周知事項の確認
- 周知方法の検討
企業が取り組むことが望ましい事項
- 自社の経営課題や人事課題を明確にする。
- 「多様な正社員」制度の導入目的を明確にする。
- 「多様な正社員」の活用イメージを具体的に検討する。
- 既存の社員区分を整理し、「多様な正社員」の位置づけを明確にする。
- 「多様な正社員」の業務内容、限定内容、人材マネジメントの方針などを具体的に定める。
- 等級制度、待遇、転換ルールなどを適切に設計する。
- 就業規則の改定や関係者への周知を適切に行う。
「多様な正社員」制度は、多様な働き方を希望する労働者のニーズに応え、企業の成長にも貢献する有効な手段ですので、本マニュアルを参考に、自社の状況に合わせた制度を設計・導入を検討しませんか?
参考文献
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